オープンバンキングとは
オープンバンキングとは、銀行が口座情報や振込機能などの金融サービスをAPIとして外部のFinTechサービスに開放する仕組みです。ユーザーの同意のもと、第三者のアプリが銀行口座にアクセスして残高照会・明細取得・振込などを行えるようになります。英国のOpen Banking・欧州のPSD2指令を先駆けとして世界的に普及が進んでいます。
日本のオープンバンキングの現状
日本では2018年の銀行法改正により、銀行に対してFinTech企業への「電子決済等代行業者(オープンAPI)」連携を義務付けるなど、オープンバンキングを後押しする制度が整備されました。三菱UFJ・みずほ・三井住友などの大手銀行や地方銀行が次々とAPI開放を進めています。
参照系API(口座情報照会)
残高照会・入出金明細照会が主な機能です。家計簿サービス・PFM(個人向け資産管理)サービスが活用しています。
更新系API(資金移動)
振込・振替などの資金移動が可能なAPIです。電子決済等代行業の登録が必要で、認証はOAuth 2.0が標準的に採用されています。
主要なFinTech APIプレイヤー
Moneytree(マネーツリー)
国内最大規模の金融データ集約プラットフォームです。Moneytree LINK APIを通じて、銀行・証券・クレジットカード・電子マネーなど多数の金融機関データを一元取得できます。家計簿アプリだけでなく、会計ソフト連携・企業の経費精算システムにも活用されています。
マネーフォワード(Money Forward)
個人・法人向け財務管理サービスを提供するFinTech企業です。マネーフォワード クラウドシリーズは会計・請求書・給与・経費などの業務をAPIで連携できます。銀行口座・クレジットカードとの自動連携で経理業務を大幅に効率化します。
freee(フリー)
中小企業・フリーランス向けのクラウド会計・人事労務サービスです。freee APIを使って外部システムと連携でき、金融機関の明細を自動取得して仕訳を自動化します。
電子決済等代行業の制度
銀行のオープンAPIを使ったサービスを提供するには、金融庁への電子決済等代行業の登録が必要です。登録要件としては、システムの安全性確保・利用者保護措置・情報管理体制などが求められます。登録後は各銀行との個別契約(API利用契約)を締結してAPI連携が可能になります。
国際送金APIの動向
Wise(旧TransferWise)・PayoneerなどのFinTechサービスが、従来の銀行より安い手数料・速い送金を実現しています。これらのサービスはAPIを提供しており、越境EC・フリーランスへの海外報酬支払いに活用されています。Stripeも国際送金の一形態として活用されています。
BNPL(後払い)サービスのAPI
Buy Now Pay Later(後払い)サービスはECサイトとのAPI連携で急速に普及しています。Paidy・ネットプロテクションズ(NP後払い)などの国内サービスや、Klarna・AfterpayなどのグローバルサービスがAPIを提供し、ECサイトでの後払い決済を実現できます。
2026年のFinTech API動向
デジタル庁を中心としたデジタル化推進により、行政サービスと金融サービスのAPI連携が進んでいます。マイナンバーカードを活用した金融取引の本人確認・公金受取口座の連携などがAPIを通じて実現されています。また、暗号資産・ステーブルコインのAPIを使ったFinTechサービスも増加傾向にあります。
まとめ
日本のオープンバンキングは制度整備・銀行のAPI開放・FinTechサービスの台頭が揃い、急速に発展しています。家計簿・会計・経費精算・国際送金・後払いなど多様なFinTechサービスがAPIを活用して金融の利便性を高めています。今後もデジタル化の進展とともに、銀行APIを活用したサービスの革新が期待されます。